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公式サイトに

・10月17日「志村泉ピアノリサイタル」  広島 ゲバントホール

・11月23日「志村泉ピアノリサイタル 2009」 銀座 王子ホール

の二つのコンサートの詳細を掲載しました。

Essaysのページに

「中学2年生と出会って」を追加しました。

最近の私の楽しみの一つは、鳥の声を聴くこと。どこか山へ行くわけでもないし、いろいろな鳥を知っているわけでもない。鳴き声と鳥の名前が一致するのはすずめ、からす、やまばと、うぐいす、かっこう、それに尾長鳥ぐらい。比較的緑の多い三鷹市に住んでいると、道を歩いていればたいてい鳥の声が聴こえてくる。山で聴く鳥の声は格別かもしれないけれど、立ち話をする人の声、車の音、アスファルトを歩く自分の足音、子どもの声、時には工事の音や商店街のアナウンス・・・そんな中に小鳥の声がすると、一つ一つはバラバラな音の中にハーモニーが感じられてくる。人間が暮らしているところで、人に飼われているペットではなく、小鳥には小鳥の世界があって一緒に生きているということが、何かとてもうれしくなる。

今年最後になってすごい勢いで書きました。
普段から少しずつでも書いておけばいいのにとは思うのですが、でも実際そんな余裕がない日常であったことも確かです。
でもこうやって書いてみると、やはりブログを作ってよかったと思います。別に人に言われるわけでもなく、締め切りがあるわけでもなく、その中で思ったことを好きなように書けるということがありがたいです。

今月友人のヴァイオリニスト・島根恵さんの伴奏をさせていただいたCDが発売になりました。一昨年に続きこれが第2弾。今回も評判がよく、アマゾンでも売れ行き好調だそうです。
今回のメインはチャイコフスキーの「懐かしい土地の思い出」という渋い名曲で、これもなかなか良い作品なのですが、ヴァイオリンを習う子どもたちがまず触れる作品の良さを知ってもらうという意図から、たくさん小品が入っているのです。それがもうほんとうに楽しい。ボッケリーニの「メヌエット」、ドヴォジャークの「ユーモレスク」、ゴセックの「ガヴォット」、バッハの「ガヴォット」、バッハ/グノーの「アヴェ・マリア」、シューマンの「楽しき農夫」など誰でも知っている小品の中にまたもっと小さな「むすんでひらいて」「小ぎつね」「ちょうちょう」なども入っています。

林光さんが喜寿を迎えられる2008年には、林光作品のコンサートをしたいということは何年も前から考えていたのですが、なかなかイメージが定まらず、かなり長いこと雲をつかむような気持ちでいました。それがあるとき、フルートの荒川洋さんとこんにゃく座の岡原真由美さん、そして林光さんにいらしていただき4人で・・・という考えが浮かんだとたんに“これしかない!”と思ってすぐ林光さんにご相談したのですが、「そりゃいいけど、無理だろう。」ということでした。
実際、お忙しくても林光さんは早めにお願いすればなんとか参加していただけると思いましたが、新日フィルの副主席フルート奏者で、オーケストラのスケジュールをぬって全国を飛び回りコンサート活動をしていらっしゃる荒川さん、一年中舞台の続くこんにゃく座で代わりのいないオペラ役者の岡原さん、それに加えて一昨年立ち上げた武蔵野シリーズの中に入れたいと思っているわけですから、実行委員ともどもくじ運がとみに悪い我々主催者が、どの日に武蔵野スイングホールが取れるか見当もつかない。そのすべてを考えると、もう99%無理と思うのが普通だと思います。
ところがかなり長いこと“やりたいと思ったことはやる!”主義でやってきた私は、あきらめませんでした。

今年の初めだったと思いますが、甲府市のNさんから突然電話をいただきました。
「身延町の旧大須成小学校の物置から、根津ピアノと呼ばれる古いアップライトピアノが見つかったんです。それを修復して、今回その復元されたピアノでコンサートをしたいのですが、山梨ゆかりの志村さんにお願いできないかということになりまして。それで実際にそのピアノでコンサートが可能かどうか、一度身延町まで行ってピアノを見てほしいんです。」ということでした。
私は「ピアノを見せていただかなくても大丈夫です。やらせていただきます。」とお返事をしました。詳しいことはよく分からなかったけれど、何かそのお話からすごく温かいものを感じたし、そのアップライトピアノがたとえどうであろうと、コンサートそのものがとても意味のあるものになるという気がしました。
それに3月のカーネギーホールでのコンサートのために、超難曲の一柳作品に取り組む日々を送っていたそのときの私にとっては、6月に予定されるそのコンサートのことを考えるだけでも、何か緊張から解放されるような、ホッとできるありがたいもので、とても楽しみだぐらいに思っていました。
今になって振り返るとそれは、私にとってほんとうに大きな収穫のあるコンサートとなったのでした。